最低賃金でも大丈夫?技能実習生の人件費、費用を解説!

  • 2019年1月26日
  • 2021年3月10日
  • 雇用

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「人件費をおさえて人手不足を対処したい」
「労働者が不足して困っているけど、大幅な賃上げは難しい」

コストと人手に悩む経営者は多いと思いますが、ある程度のコストで長期的な人材を確保する方法として「技能実習制度」があります。外国人労働者を受け入れることで定着率があがり、結果としての採用コストが低くなり、且つ人手不足を防げるのです。

今回は技能実習生を受け入れるのに必要な人件費やその他の費用の内訳を詳しく解説します。

技能実習生の賃金条件とは?

まず、外国人労働者にも日本人同様、最低賃金以上の給料を支払う必要があります。仮に書類などで最低賃金以下の給料で合意したとしても、その賃金は違法で無効となります。

そして、最低賃金には2つの基準があります。

  • 地域別最低賃金(都道府県によって決められている)
  • 特定産業別最低賃金(産業ごとの労働者を対象に決められた最低賃金)

上記の最低賃金においてどちらか高い方の最低賃金以上の給料を支払うことが必要です。例えば地域別最低賃金が時給900円だとして、特定産業別最低賃金が時給950円だとします。

この場合は特定産業別最低賃金のほうが地域別最低賃金よりも高いため、技能実習生に支払う時給は950円になります。最低賃金額を下回る給料を支払うと技能実習生の受け入れが停止されるため注意が必要です。

また、当然、雇用するので雇用保険などの社会保険料や厚生年金の費用を支払うことが必要となります。

技能実習生の割増賃金

技能実習生を時間外や休日、深夜に働かせる場合は、労働基準法により時間外・休日・深夜割増賃金が発生します。厚生労働省のパンフレットによると次の条件に従って受け入れ企業は技能実習生に割増賃金を支払うことが必要です。

  • 法定労働時間を超える労働に対して基本給の25%以上の割増賃金
  • 深夜(22時から午前5時)の業務に対して基本給の25%以上の割増賃金
  • 週に1回も休まないか4週間に4回以上休ませない場合、休日労働に対して基本給の35%以上の割増賃金

時間外手当を支払わないと受け入れ停止などのペナルティが発生するため気をつけましょう。

技能実習生にかかる賃金以外の費用とは?

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技能実習生にかかる賃金以外の費用は次の通りです。

  • 組合(監理団体)への入会費、年会費
  • 技能実習生の受け入れ費用
  • 受け入れている間の監理費

具体的な費用の内訳を知っておきましょう。

組合(監理団体)への入会費、年会費

技能実習生を企業で受け入れるには、協同組合など監理団体に加入することが必要です。監理団体への加入費や年会費は組合によって差がありますが、概ね1万円~5万円程度が多いようです。

そもそも、組合とは相互扶助を目的に組成しています。技能実習生の受入以外も高速料金の割引が受けられるETCの発行や、事業に必要な資材を共同調達する仕組みなど、活用できる仕組みもあるかもしれません。どんなメニューがある組合(監理団体)なのか調べて費用に見合っているか確認しましょう。

技能実習生の受け入れ費用

外国にいる技能実習生を来日させ、1ヶ月の国内での講習を受け配属になる前までの費用は概ね25~40万程度です。ただし、航空機代などエリアや時期によっての変動も大きいので、個別見積もりが必要です。また、面接を現地で行う場合は別途、ご自身分の渡航費用が必要です。

技能実習生を受け入れるために発生する1人あたりの初期費用の内訳例は以下の通りです。

来日渡航費実費
空港送迎費実費
健康診断費3,500円~1万円
技能実習生の1ヵ月の講習費6~10万円
講習時の実習生に対する生活費5万円~6万円
外国人労働者保険2万2千円~4万円
技能検定試験料(入国後約8~10ヵ月)約2万円

技能実習生を雇用するためには概ね25万~40万円程度の初期費用が発生するため、受け入れ前に頭に入れておきましょう

受け入れている間の監理費用

技能実習生を受け入れた後も、滞在期間ずっと監理団体に支払う費用、それが「監理費」です。監理費用には通訳サポートや見回り職員の人件費、交通費などが含まれていて、受け入れ人数とサポートの充実度によって値段は変動します

監理費の目安は「エリア」「その監理団体から受け入れている総員数」「サポート内容」によって違いますが、ザクッと申しますと平均的には2・5万~5万円程度が多いようです。

また、監理費は送出し国の送り出し機関分も合わせて徴収いたしますので、送出し国の相場や法律によってもことなります。

まとめ

技能実習生の採用には最低賃金以上であれば問題ありませんが、日本人同様、法律で定められた社会保障や、更には入国に必要な費用、または監理団体への監理費も支払うことが必要です。

しかし、それでも技能実習生の受入がどんどん増えているのは悪評の前になかなか社会的には届いていませんが「よく働いてくれる」という各企業の評価の高さや、3~5年の長期にわたって働いてくれる安定感などがあるのだと思います。また、中小企業の場合、募集をかけても日本人の応募がないなんてこともよく聞きます。

費用は監理団体によってまちまち

最終的には加盟費や教育費、監理費などは組合によって違いますので技能実習の費用はつきあう「監理団体」によって変わってきます。しかし、安ければよいという単純なものではなく、その組合の「人材の手配力」、「教育力」「入国諸手続きの迅速さ」「監理の適正さ」「担当者の対応」など多くの項目とのバランスとなります。

しかし、監理団体は全国に2800以上。しかも、非営利団体の為、積極的な広告もなくなかなか実態を把握するのが大変です。

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