2019年度から始まる特定技能に合わせて、外国人の雇用に乗り出そうとしている企業も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、特定技能外国人を雇用しているときに申請できる可能性のある助成金についてご紹介させていただきます。
この記事を読むことで、助成金申請のタイミングを掴むことができますので、ぜひご一読ください。
特定技能助成金で貰える可能性のある助成金一覧
日本では、様々な状況に応じてお金を国から貰える制度があります。
長く会社経営を行っていくための強い味方となる助成金です。
特定技能外国人を雇用する前に、申請できる助成金を知っておくことで、有事の際に会社の助けになることは間違いありません。
知っていると知っていないでは雲泥の差になります。
では、早速申請できる助成金を見ていきましょう。
中小企業緊急雇用安定助成金
中小企業緊急雇用安定助成金は、中小企業のための雇用維持を支援するために作られた助成金制度です。
特定技能外国人を経営的事情により休業・教育訓練・出向するときに受給できる可能性があります。
この中小企業緊急雇用安定助成金の受給要件は、直近3か月の売上、または生産量が昨年に比べ10%以上減少していることを証明しなければなりません。
受給要件が満たされれば、教育訓練の経費として、事業所外で1日1人当たり6000円、事業所内1日1人当たり1500円を貰うことができます。出向と休業の場合は賃金相当額の4/5が受給できます。
雇用調整助成金
雇用調整助成金は、経営が悪化した際に申請できる助成金です。
中小企業緊急雇用安定助成金と同じく、直近3か月の売上、または生産量が昨年に比べ10%以上減少していることに加え、直近3か月の従業員数がほぼ増加していないことが条件となります。
※増員0というわけではなく、中小企業でしたら3人(従業員比率の10%以下であること)まで、大企業でしたら5人まで(従業員比率の5%以下であること)の増員は認められています。
従業員を解雇ではなく一時的に休業・教育訓練・出向といった雇用調整した際に受給することができます。
会社に仕事が一時的にない時に支払う休業手当の一部を助成してくれるといった制度になります。
助成率は意外に高く、休業手当の2/3、賃金負担額の2/3+1日1人当たり1200円、出向負担額の3/2が受給されます。
人材開発支援助成金
職業訓練などを実施する事業者に対して、訓練経費や訓練期間中の賃金を助成する制度です。
この受給要件として、長期の就労資格がある外国人労働者が対象とされています。
特定技能1号は期間制限のある在留資格ですので、申請が通るかは難しいところです。
ですが、期間の定めのない特定技能2号であれば十分に受給できる可能性はあります。
キャリアアップ助成金
非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するための助成金です。
従来の技能実習生制度では、このキャリアアップ助成金は対象となりませんでした。
この理由は、技能実習生は帰国を前提としているためですね。ただ、今回の特定技能は2号にまで移行することで期限の定めのない在留資格となり、正社員として雇用することも可能になります。
現在のところ、申請できる可能性は低いと考えられますが今後特定技能2号へ移行し、正社員として雇用する際に支給対象になる可能性はあるので覚えておきましょう。
特定技能外国人を雇って無条件に貰える助成金はない
現在、特定技能外国人を雇用したからと言って無条件に貰える助成金はありません。
正直なところ、特定技能制度自体が日本国内の人手不足に対する苦肉の策であることは否めません。日本で足りない労働者の補充を外国のマンパワーに頼ろうというのが特定技能制度の目的の一つです。
ですが、本来であれば日本人のみで労働者の確保を行って欲しいのが国家としての本音です。その証拠に特定技能外国人の受け入れ要件に日本人の募集も同時に行い続けることが義務付けられています。
外国人労働者である特定技能外国人を雇用したことによる優遇は基本的にはされないと考えてよいでしょう。
助成金を申請にするには具体的な根拠が必要
助成金を申請するには、必ず客観的な根拠が必要となります。
売り上げデータや生産データはもちろん、職業訓練を行った場合はその詳細なども資料としてまとめておく必要があります。
助成金の申請は複雑なため士業に相談
助成金の申請は非常に複雑です。
行政書士など士業に依頼することで、申請を通すことができる可能性は上がります。
ただ、申請だけは素人であってもできます。
士業に頼む費用が捻出できない場合は、商工会議所や役所などで指導を受けてみるのもいいかもしれません。
特定技能特有の助成金はない
特定技能は、日本政府の肝いりで始まる在留資格ではありますが、特定技能外国人を雇用したからといって助成金は出ません。
今回ご紹介した助成金も休業に近い業績不振時か特定技能2号に移行した際に申請できる可能性が高いものが多いです。
ですので、特定技能外国人を雇用する又はしている際に助成金が出るかどうかは「特定技能2号」外国人を雇用しているもしくは「経営不振の時に休業・出向・職業訓練」を実施しようと考えている時と覚えておきましょう。