愛知県の人手不足は深刻です。
その証拠に愛知県内の外国人労働者数は全国で2位と非常に多くの数になっています。
また、在留資格技能実習で滞在している外国人労働者数は全国で1位です。
今回の記事では、人手不足に悩む愛知県でも始まる特定技能制度についてご紹介していきます。
愛知県で人手不足の業界はどこ?
愛知県は、5大都市である名古屋があることで人口が集中していることに加え、トヨタ自動車の工場があるなど人手を多く必要としています。
全体的な有効求人倍率は1.5倍を前後している状況です。完全失業率を見てみると平成20年の4.5パーセントから2.4%まで改善しています。
また、業界別には、サービス業・専門技術・販売・輸送等・生産工程・建設等の順に有効求人倍率が高い数値を出している状況です。
このことから愛知県内の人手不足問題は、業種による労働条件の人気の無さと労働人口自体の減少が関係していると考えられます。
愛知県で特定技能外国人を雇用する方法
では、愛知県内で特定技能外国人を雇用する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
代表的な三つの方法をご紹介します。
愛知県で特定技能外国人の雇用方法①技能実習生からの移行
在留資格特定技能は、技能実習生からの移行で取得することができます。
しかも、技能実習生2号又は技能実習生3号を修了している外国人は、無試験で特定技能1号への移行が可能です。
全国で技能実習生受入数が1位の愛知県企業にとっては最も関心が高い方法と言えます。
愛知県で特定技能外国人の雇用方法②特定技能評価試験の合格
特定技能資格は、日本にいる留学生の外国人に対しても特定技能評価試験に合格することで付与されます。
また、現地にいる外国人に対しても特定技能評価試験を受けてもらうことにより、特定技能在留資格の付与が行われるのです。
この特定技能評価試験の内容は、日本語能力試験と技能能力試験の両方の合格が条件になります。
日本語能力は、日常生活上の会話や読み書きが問題ない程度できれば合格可能です。技能評価については、就労する業種の中級~上級程度の技能知識を有しているかが問題となります。
ただ、現在のところ特定技能評価試験の難易度ははっきりしていないため、どの程度この試験から合格者を出したいのかは未知数です。
愛知県で特定技能外国人の雇用方法③転職者の確保
特定技能外国人は、転職が認められています。
ここは、技能実習制度とは大きく違うところですね。
特定技能外国人の転職の方法は、日本人と同じくハローワークや求人媒体などを通して行われます。また、登録支援機関や外国人紹介者などにより仲介により行われることもあります。
外国人を専門とする転職支援サービスならば特に問題はありません。
ですが、ハローワークに求人を出す際には、特定技能外国人の受け入れも行うといった旨をきちんと記載が必要になります。
愛知県では特定技能の適正運用を図る共生推進協議会を設置
愛知県では、2019年度からの特定技能開始を受け、外国人材適正受入れのための組織として、あいち外国人材適正受入れ・共生推進協議会を開催しています。
では、この協議会の何のためにあるのか概要を説明します。
愛知県の共生推進協議会の目的
あいち外国人材適正受入れ・共生推進協議会は、関係機関において情報共有や相互連携等を図ることを目的が目的です。
構成団体には、名古屋入国管理局、愛知労働局、東海北陸厚生局、東海農政局、中部経済産業局、愛知県商工会議所、名古屋市などがなを連ねています。
共生推進協議会の事業内容
あいち外国人材適正受入れ・共生推進協議会の事業内容は、外国人材等の労働環境・生活環境の整備と日本語学習・日本語教育の充実、外国人材の適正受入、共生推進に係る必要な事項の情報共有等を行うとしています。
ワーキンググループとして、労働環境・生活環境・日本語教育の三つのグループに別れて情報共有を行うとしています。なお、会議は基本的にすべて公開され、広く情報開示ができるシステムをとっています。
愛知県内特定技能外国人の情報共有や相互連携
あいち外国人材適正受入れ・共生推進協議会からの情報共有が進み、情報がまとまってくれば特定技能に関する大きな情報源になることは間違いありません。
今後、協議会の傍聴方法なども公開されていくと公表されていますので、情報収集の場として傍聴してみるのも良いでしょう。
ちなみにこの協議会の事務局は、愛知県及び名古屋入国管理局に置かれることとなりますので、お問い合わせの際はそちらまでどうぞ。
正常運用までに技能実習生を育てておくのが無難
特定技能外国人制度は、2019年4月から順次各業界で開始されていきます。
特定技能開始は、愛知県でも正常運用までには混乱をきたすことが予想できます。
それでも、技能実習生を多く受け入れている企業は、特定技能への移行を余儀なくされるため、対応せざるを得ないでしょう。
混乱の中の対応は、時間やコストが正常運用後よりも多く支払う必要があるのは明白です。
ですが、これから「外国人労働者を受け入れてみよう」と考えている企業ならば、無理に特定技能開始で慌てる必要はありません。
まずは制度やサポートの安定した特定技能へも移行できる技能実習生の受け入れから始めてみることも、検討してみてはいかがでしょうか?