優秀な人材の確保はどこの業界でも苛烈を極めています。
特に大阪では、2017年度の有効求人倍率が44年ぶりの高い倍率となったことで話題となりました。
なぜ今大阪は、未曾有の人手不足を陥ることになったのでしょうか?
そして、今大阪をはじめ、人手不足の業界を救うために始まる新たな外国人在留資格特定技能とはどういった資格なのでしょうか?
今回の記事では、大阪の人手不足の原因と大阪の人手不足を救うカギとなりえる特定技能制度についてご紹介させていただきます。
東京五輪や大阪万博の影響で未曽有の人手不足に陥る大阪
大阪の有効求人倍率が高くなる理由の一つは、東京五輪(オリンピック)や大阪万博の影響が、大阪の企業に強く出ているからです。
近年は、東京五輪効果で外国人観光客の増加率が高くなったこともあり、急激な建設業バブルや宿泊業バブルが起こっているのです。
また高齢化に伴う介護事業の発展も人材不足に拍車をかけています。
特に大阪では介護職・建設業の人材が足りていない
介護業・建設業も決して日本人から人気のある職業とは言えません。
介護従事者数は平成19年から28年度の間で約1.7倍に増加中です。
また、介護事業は2017年の段階で3000人大阪府で不足しているという報告があり、2025年には3.4万人の不足になると予測されています。
介護事業所で人材が不足している理由の7割が「採用が困難であるから」としています。介護の仕事は、「労力に対して賃金が低い」「仕事がきつい」「社会的評価が低い」といった実情とイメージの悪さがあります。
採用が困難になるのは当然といえば当然ですね。
建設業についても、東京オリンピックや大阪万博が終わったので需要は落ち込むと見られていますが、今は最盛期であるため多くの建設会社で求人が多くされています。
この二つの業種の直近10年の間の人材不足の見込みは他の業種と比べても高い数値が予測されているのです。
特定技能でずっと働ける業種は?
在留資格「特定技能」には、特定技能1号と特定技能2号があります。
似たような語感の在留資格ですが、その差はかなりあります。
特定技能1号は、在留期間が5年間に対し、特定技能2号は無期限の在留資格なのです。
また特定技能2号は、家族の帯同や永住権の獲得も可能となっており、実質的な移民とも言える優遇された在留資格といえます。
もちろん、永住権は別途獲得要件を満たさなければなりませんが、企業経営者としてみた場合、戦力となる特定技能外国人が無期限で働いてくれるというのはとても魅力的です。
現在、特定技能2号への移行が検討されているのは、5業種でその中でもほぼ確定しているのは建設業と造船・船用工事業になります。
大阪で特定技能取得するまでの流れ
それでは具体的に、 大阪で特定技能を取得するまでの流れをご説明します。
大阪の登録支援機関に事前に相談をしておく
特定技能在留資格を持つ外国人を雇用するには、まずは特定技能雇用契約を結ばなければなりません。
現地にいる外国人にその契約を交わす場合は。母国語での説明や契約書類の作成が必要になります。また入国管理局に対する申請書類の作成や、証明書の送付の送付など入国前にする手続きは多くあります。
また外国人が入国した後にも支援を行う必要があります。
支援内容は、住む場所であったり、日本語学習環境であったり、インフラを整えることであったり多岐にわたります。
これらを自社で行うのはとても煩雑で、語学力や知識が必要となります。
そこで役立つのが「登録支援機関」です。登録支援機関に外国人の支援を委託することで、外国人の入国前の受け入れ手続きから入国後の支援までを行ってくれます。
自社で行えない支援だけを中心に委託することで、委託料を抑えることも可能だと予測できます。
特定技能外国人を雇用する前に、優秀な登録支援機関を探しておくことが必要となるでしょう。
技能実習生の監理団体のように、登録支援機関への委託は義務付けられていません。
ただ、まだ情報が出揃わないため、登録支援機関がどのようなサービスを提供してくれるかは未知数です。
技能実習生2号と3号を終えていれば申請するだけ
在留資格「特定技能」へ移行するための代表的な方法の一つは、技能実習生2号と3号の修了者であることです。
修了者は、日本語の能力と専門技能があると認められるため、 無試験で特定技能への移行が認められます。
特定技能への移行は基本的にはその旨を政府へ申請するだけで終わります。
ただ、申請すべき書類はかなり多いため、まずは独自で判断せずに登録支援機関や士業のサポートを得ることをおすすめします。
技能実習生1号や留学生は特定技能評価試験合格が必須
技能実習生2号と3号の修了者の他にも、日本に滞在する留学生などが特定技能評価試験に合格することによって、在留資格「特定技能」を得ることができます。
特定技能評価試験の目的は、日本語が日常生活で不足しない程度使えることと、特定分野の専門知識を有しているかどうかを図ることです。
評価試験の難易度は、技能実習生2号と3号が無試験であることに加え、初級程度の知識を持つ技能実習生1号が受験が必須ということを踏まえると中級~上級程度の知識量が求められるのではないかと考えられます。
まずは技能実習生の受け入れが現実的!
特定技能制度は、2019年度から開始されますが、未だこの制度に対する疑問点も多く、正常に運用されるまでには時間がかかると推測できます。また、特定技能の全容を把握するには、まだまだ時間がかかると考えられます。
これから外国人労働者を雇用しようと考えている方は、まずは技能実習生から受け入れることをお勧めします。
技能実習生の在留期間は平均3年ですが、3年あれば特定技能制度の運用も正しく行われるようになると考えられますので、安全に8年間の雇用が見込めます。
もちろん、その際に優秀な技能実習生を派遣してくれる監理団体の選定は不可欠です。
時間が経つうちに特定技能2号への移行が認められれば、 終身社員の道も開けます。
まずは特定技能にも繋がる一手である技能実習生の受け入れから始めてみてはいかがでしょうか?