現在多くの企業が「海外人材の雇用は不可欠」として、外国人労働者の獲得競争が起きています。埼玉県でも、多くの企業が技能実習生の獲得に乗り出し、市場は過熱しています。
今回の記事では、埼玉県における技能実習生制度についてと、技能実習生を受け入れるプロセスを簡単に解説していきます。
外国人技能実習生の活用セミナーが埼玉で開かれている
埼玉県では度々、外国人技能実習生制度活用セミナーが開催されています。直近では2019年2月14日に開催されました。
人材獲得戦に勝利するには賃金だけでなく埼玉の良さをアピール
外国人技能実習生制度(新法)が始まったのは、2017年11月。(技能制度自体は2010年開始)
新制度開始から丸2年が経ち、法整備やノウハウが溜まり、技能実習生制度の問題点や解決点が洗い出されてきました。
多くの企業が外国人技能実習生制度を活用し、成果を出している中、全国の企業とも獲得競争が起こっています。
先述の活用セミナーで社会福祉法人城南会の松平一貫氏が語ったのは、「賃金だけでアピールでは、競合に勝てないため、都心にはない埼玉の強みとなる家賃や物価、住みやすさを強調する」との内容を語りました。
外国人技能実習生は一人の人間ですので、同じような実習(仕事)内容ならば、契約条件の良いところに流れてしまうのは自然です。
埼玉で技能実習生を受け入れるには、雇用条件も工夫していかなければなりません。
日本語学校との連携も必要か
外国人技能実習生を受け入れて問題になる可能性が高い要因は、やはり言葉の問題です。
言葉の習得に対し、自主的な学習に任せるのは厳しいため、日本語学校との連携も必要視されています。
日本語学校との連携がさらに密になることで、外国人技能実習生制度はさらに有用なものになるでしょう。
技能実習生を受け入れるプロセスを簡単解説
現在検討している企業も多いであろう技能実習生制度についてですが、国の解説を見てみてもイマイチ複雑で分かりにくいとは思いませんでしたか?
そこで、今一度技能実習生の受け入れについて簡単にプロセスを解説していきます。
技能実習生受入れプロセス①埼玉の監理団体候補を絞り込み
技能実習生を受け入れるために、まず必要なのが監理団体との契約です。
埼玉県内だけでも、かなりの数の監理団体があります。
埼玉県内でも多数の監理団体がありますが、その大きな違いはサービス内容です。
例えば、製造業や外食業などの特定の業種に強い団体、相談窓口を長い時間設けている団体、 企業へのサポートに力を入れている団体など様々です。
自分の会社に合った監理団体を選ぶには、一つ一つ問い合わせながら、自身で判断していくしかありません。
とはいっても、調査には膨大な手間や費用がかかります。
全てをしらみつぶしに調べるのではなく、 監理団体に詳しいプロにある程度、選抜を任せるというのも賢い選択です。
技能実習生受入れプロセス②複数の監理団体と話し合い契約先を決定
候補が絞り込めたら、実際に監理団体の担当者と会って話のすり合わせを行います。 この時に注意したいのが、担当者との相性です。
これから先付き合っていく担当との相性が悪いと、後々トラブルになる可能性が高くなります。
制度開始からまだ間もないため、完璧に頼りになる担当者は難しいかもしれませんが、少なくても誠実な対応をしてくれる担当者を見極めることが必要です。
技能実習生受入れプロセス③オーダーと実習計画を立てる
契約する監理団体が決まったら、次に実際に募集する人材のオーダーをします。
技術・年齢・性格などをある程度指定ができますので、担当者と共に詳細を詰めていきます。
また、どのような実習内容にするか、どのくらいの賃金にするかも伝える必要があるので同時に進めていきます。
オーダーや実習計画に従い、現地の送出機関というところが、候補者を選抜してくれます。
技能実習生受入れプロセス④現地面接
候補者たちの住む現地へ赴き面談を行います。
現地へ行くまでの手配は基本的に監理団体が行ってくれます。面接に際し必要な翻訳者も監理団体が用意します。
現地面接時に気をつけたいことは、候補者は日本語が喋れないものであると考えていくことです。ですので、翻訳者の随行は必須です。万が一用意していないことにならないよう、担当者に確認をしておきます。
監理団体や翻訳者のサポートを受けながら、実際に受け入れる技能実習生を決定していきます。
技能実習生受入れプロセス⑤入国後監理団体により法定研修
技能実習生として契約が確定すると、現地の送出機関及び入国後に監理団体から日本語講習が行われます。
実習開始までには、ある程度のレベルの日本語を習得しているはずです。
必ず確認しておきたいのは、監理団体が技能実習生に対しどのような学習を行うのか、教育に対して成果の保証はあるのかということを確認しておきましょう。
技能実習生受入れプロセス⑥実習開始
入国後研修も終わればいよいよ技能実習開始です。
技能実習生は、単純労働だけを任せることはできませんので、事前に作成した技能実習計画に沿った運用をしていきましょう。
監理団体は月に一回、技能実習生の様子を見ることが義務付けられています。
起こりうる問題に対しての予防・対策・対処は監理団体と密に連携を取りながら行っていきましょう。
技能実習者の質を考えるなら監理団体の手厚いサポートが必須
技能実習生の十分な質や数が獲得できるかは、監理団体の能力に依存するところがあります。
もちろん、賃金などの受入先企業のオーダーの内容が魅力的でないことも競争に負けてしまう理由になります。
しかし、それ以上に監理団体選びは、技能実習生の質を上げるための土台になりうる重要な選択です。
埼玉県の人事担当者は、技能実習生受け入れの際には、手厚いサポートが望める監理団体を慎重に選ぶようにしましょう。