技能実習生を受け入れたい、人材不足に悩む現場でそういった決断をする経営者が今増えてきています。
しかし、いざ調べてみると制度は複雑で、更には最初に問い合わせるべき監理団体も多すぎてどれを選べば良いかわからない、そんな声もよく聞きます。
そこで、この記事では技能実習生を派遣する監理団体の実態と監理団体を選ぶポイントをご紹介していきます。
技能実習生は監理団体より派遣される
外国人技能実習制度において、企業と技能実習生を結ぶのは「監理団体」です。企業が技能実習生を受け入れるためには、まず監理団体に問い合わせをすることから始まります。
ところで、監理と管理の違いについてご存知でしょうか?最も重要となる監理団体を選ぶ上で必ず知っておきたいポイントになりますのでご紹介します。
管理と監理との違いは?
まず、辞書に載っている管理と監理の違いについて見ていきましょう。
「管理」とは、物事・事務などを管轄し取り仕切ること
「監理」とは、監督すること。取り締まり、人の上にたって指示を出す
このように見ると同じ「かんり」でも、役割が違うことが分かります。
よって、監理団体は、技能実習生たち一人一人の日々の業務や生活の「管理」はしません。
人材を管理するのは実習実施先、つまり、御社の仕事になります。
では、監理団体は何をするかと言えば、御社が正しく技能実習を行っているか「監督する」ことが仕事になります。
監理団体とは何か?
監理団体は、技能実習生を受け入れる企業に対し、監理する義務を負います。
具体的には、以下のような業務の遂行が企業に対しされます。
- 海外での人材確保や面接の段取り、実習生の入国手続きの代行
- 入国直後に定められた研修を行うこと(日本語・一般常識・法律知識)
- 技能実習生に対して、相談窓口等を開き連絡をすぐにとれる状態を確保すること
- 1年目の技能実習生に対して技能実習計画を作成・及び実施の確認、指導
- 1年目の技能実習生に対して一か月に一回職員による訪問指導を行い外国人技能実習機構に報告
- 2年目以降の技能実習生に対しては3か月に一回の定期巡回を行い外国人技能実習機構に報告
- 帰国の手続き、送迎を行うこと
他にも細かい事項はありますが、監理団体はこのような業務を企業及び技能実習生に対して行う義務があります。
なぜ監理団体が複数あるのか?どんな違いがあるのか?
いざ、監理団体を探そうと思ったときに調べてみると、多くの監理団体があることに気づくでしょう。
その数は既に2800以上も存在しています。
外国人技能実習生の受入れ事業を行う監理団体には主に6つの種類があります。
- 事業協同組合(中小企業団体)
- 商工会議所、商工会
- 農業協同組合、漁業協同組合
- 公益社団法人、公益財団法人
- 職業訓練法人
- 法務大臣が告示をもって定める監理団体
技能実習生を受け入れようとすると、上記のどれかの組合に入会することになります。
監理団体からどういうプロセスで派遣されるのか
基本的には、担当してもらう監理団体を決めたら以下のようなプロセスで派遣されることとなります。
- 監理団体へ問い合わせ
- 監理団体からの資料や見積もりなどを受け取り検討する(相談も可能)
- 条件が納得できた段階で申し込み
- 希望人材の相談、求人票などを監理団体へ送付
- 監理団体が現地へ求人を出し、現地の送出機関が候補者を選抜
- 現地面接&決定
- 技能実習計画の作成、監理団体へ状況確認等
- 技能実習生入国
- 監理団体による日本語研修等(約1か月)
- 配属
基本的に企業が行うことは、人材のオーダーと面接及び決定、実習計画の策定といった3つになります。
入国までの期間は職種などによりケースバイケースですが、おおよそ半年程度が目安と言われています。
成果に違いが出る監理団体の選びの4つのポイント
では、技能実習生の中からより良い人材を探し、成果を出したい場合、監理団体の選び方としてはどのようなポイントを見ていけば良いのでしょうか?
具体的にどこに着目すればよいのか見ていきましょう。
ポイント①良い人材を集めれるかどうか?
「実習」とは言え、今後、数年間企業で働く人材を雇用するのですから、どんな人材を雇用するかは大変重要なことですが、実はこの段階でのトラブルが結構あります。
実は、技能実習の候補生は監理団体と提携した「送出し機関」と言われる、各国で人材を集め、教育し、出国手続きを行う各国の現地企業が一切の手配を行います。
そして、問題は受入数にもよりますが、「例えばフィリピンなら1社、ベトナムなら基本的には3社」など、日本の監理団体が提携できる送出し機関の数は各国のルールで定められていて限定されてる点です。
提携前にいかにも万全の体制で送出し機関を選定しているようプレゼンされたが、いざ始めると全然ダメと言うこともあり得ます。金銭的な絡みもあり、送出し機関の変更はなかなかスムーズにいかないことも多く、一度契約してしまったところの能力にその監理団体の人材供給能力も制限されてしまうことがあります。
実例としては、「面接の準備ができた」とのことでいざ現地に行ってみると、「3人採用予定で3人しか集まっていない」とか、ひどい場合「サクラ行為」もあります。人数集めのために、実際には技能実習で日本に行く意思がない人間をアルバイト的に面接メンバーに入れ、如何にも準備が整ったかのように見せかけてくるのです。仮にサクラに採用通知を出した場合、後々様々な理由をつけて日本にいけなくなったとして再選考を要求してきます。
つまり、監理団体がどんな送出し機関と提携して、どの程度のしっかりとした人材の手配を行っているかをよく見極めえる必要があるのです。
ポイント②教育体制
募集、採用もさることながら、教育は更に大事です。面接合格から来日までの数か月で、その人材に「どの程度の日本語能力、仕事に対する姿勢、日本でのマナーや常識」を身に着けさせるか?教育をどのように行っているかをしっかりと見極める必要があります。現地に面接で行った際に、核送出し機関の教育施設を見学できると思いますので、ぜひ現地に行き、そこでの教育体制を見比べることでおおよそ推察がつきます。
また、入国後の1ヶ月間、日本で日本語研修や一般常識の講習を行うのも監理団体の仕事になります。
監理団体の教育も内部で実施する場合と外部委託の場合に分かれます。
一概にどちらが良いということではありませんが、内部で行っている場合、自組合で十分に人数を集められる監理団体であり、豊富な経験を有している可能性が高いです。
また、内部で行う場合、技能実習生達との人間関係の構築が出来ている可能性が高くなります。
万国共通で「恩を受けた人間には心を開きやすい」ものです。
一か月に一回のヒアリングの機会で、技能実習生が抱える問題をどのくらい打ち明けてくれるかは、人間関係が構築できているかはそれなりに重要です。また、トラブルの仲裁役としても、技能実習生と親しい人間がいれば頼りになります。
このように、「教育の質」と「人間関係」
そんな視点でチェックしていくとよいでしょう。
ポイント③監理費は適切かどうか
技能実習生を雇用する期間、毎月監理団体に支払う費用に「監理費」があります。
技能実習生の受入は1~5年の長い期間となりますので、この「監理費」の違いはコスト面で大きな違いとなってきます。
しかし、「高いのは悪」「安いのが善」と言った単純なことではなく、提供される価値とのバランスで考える必要があります。
前述の「採用や教育体制の充実度合い」により、当然運営にかかっているコストも違いますし、「24時間問い合わせ可能な窓口を作っている」ところもあれば、そうでないところもあります。現地の言葉を話せる社員を雇用しているところもあれば、対応していないところもあります。単純に距離が遠く、巡回監理に交通費が多くかかるのかもしれません。
見ておきたいのは、費用に対してサービスが適切かを確認しておくことが重要になります。
その水準を確認するには、複数の監理団体の見積もりをとっておくことが必要になります。
判断材料は多いほうがいいので、監理団体を決定してしまう前に、複数の監理団体から見積もりを取りましょう。
ポイント④技能実習への精通度、担当者自身の資質
技能実習制度は複雑かつ、各国の制度も流動的で、なかなか対応が難しい業務です。
だからこそ、その制度に精通している熟練した監理団体を選ぶべきでしょう。特に担当者の方のスキルや姿勢は大事です。監理団体を決める前に、どういう風に仕事をしているのか、担当者から徹底的な調査をしておきましょう。
例えば、熟練度を見極める指標の一つとして、担当した技能実習生人数(実績)を聞くことです。
素直に年どのくらい技能実習生の受け入れを担当しているか問い合わせてみるのもいいでしょう。
これを比較するだけでも、かなり有益な資料になります。
監理団体を決定する前にまずは複数の比較検討が定石!
ここまで、成果に違いが出る監理団体の選び方のポイントをご紹介して参りました。
では、早速良い監理団体を探そう!と行きたいところですが、実はこれがなかなか難しいです。
監理団体は全国に2800以上。
しかも、監理団体は非営利企業で積極的な広告を行うことは法律で禁止されております。よって、企業側にはなかなか情報取得しづらく、かつ、各管理団体は対応できる「エリア」「職種」「対応できる送出し国」が異なっており、どの監理団体が御社の業務に対応できるか調べるだけで一苦労です。
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監理団体の客観的な比較はポイントも多く非常に難しいのですが、皆さん自身がなるべく多くの監理団体に会って、相談して、納得できる1社を探すことが重要です。
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