東京オリンピック需要で建設業の業績はうなぎのぼりの企業が増えています。
しかし、仕事量に対し、人材確保は追いついていない状態です。
そこで、今注目されているのが「特定技能1号」です。
今回の記事では、建設業における特定技能1号についてシンプルに解説をさせていただきます。
特定技能1号について技能実習と比較してシンプルに解説
特定技能1号とは、2019年3月までに開始される外国人労働者を対象とした在留資格です。
では、どんな資格なのか、技能実習と比較して説明します。
特定技能1号の在留期間は最長5年間です。1~2年後ごとに受検が必要となる技能実習とは違ってきます。
特定技能は、その分野における能力が認められていることに加え、日本語の読み書きが生活上支障がない程度でなければ取得ができません。実習を目的として仕事及び日本語能力がほとんどなくても取得が可能技能実習(厳密には技能実習1号)とは異なります。
そして特筆すべきは、在留資格「技能実習」から特定技能1号への移行が可能な点です。これにより特定技能と技能実習合わせて最長10年の在留資格となります。
このとから、特定技能1号の登場は、今いる外国人技能実習生をはじめ外国人労働者を雇入れようとする事業者にとって、人材不足解消の一手として大いに注目されています。
建設業で「特定技能1号」を受け入れる条件まとめ
建設業で特定技能1号の外国人労働者を雇い入れるには下記のような条件が必要となります。
- 建設分野の受入企業は受入計画の作成をすること
- 受入計画については国土交通大臣による審査・認定を受けること
- 建設キャリアアップシステムへの登録すること
- 特定技能外国人受入事業実施法人(建設業者団体)への加入すること
- 日本人と同条件の賃金を支払う(昇給も行うこと)こと
- 労働契約を外国人の母国語で書面で事前説明をすること
- 政府又は指定機関の巡回指導の受入れを許可すること
- 建設業の特定技能1号の受入見込数に達していないこと
- 国内で人材確保の取り組みをしていること
- 特定技能雇用者が日本人の常勤の数を超えていないこと
少し多いように感じますが、特定技能1号の外国人を受け入れるには、以上の条件を満たしていなければなりません。
登録業務は登録支援機関に委託できる
外国人の採用には日本人の採用よりも多くの事務処理が発生します。すべての処理を会社内で行うことも可能ですが、登録支援機関にこれを委託することも認められています。通常の中小企業あれば、登録支援機関に丸投げするほうが人的コストを抑えることが可能です。
技能実習生の場合は、監理団体がサポートを行っていましたが、それが登録支援機関に変わったというイメージで良いでしょう。
建設業分野で「特定技能1号」の可能業務内容は?
建設業分野で受け入れ可能な作業は25職種38作業あります。
先述しましたが、在留資格特定技能を取得するには、建設業の特定技能1号評価試験に合格していることに加え、日本での日常の読み書きが問題がないレベルの日本語能力がなければなりません。
つまり、日本語を必要とする雑務や単純作業も任せることができます。
基本的にはほとんどの建設業分野の職種、作業を網羅していますので、よほど特殊な作業でなければほとんどの業務は可能となります。
建設業は技能実習生から特定技能1号へ移行可能
建設業は、すでに技能実習生を多数受け入れている実績があります。
そして、先ほども少し触れましたが、建設業の場合、技能実習生は特定技能1号への移行が可能です。
ただ、特定技能1号の資格者を受け入れるには、タイミングや運が必要となります。ですが、技能実習生からの移行であればどこの企業であっても可能になります。
いきなり特定技能1号の外国人探すよりもまずは、技能実習生を受け入れるところから始めてみるのが良いかもしれません。
永住資格を入手可能な特定技能2号への移行も検討されている
2019年4月から開始される特定技能1号は、最長5年の期間日本で働くことができる在留資格です。
ですが、技能実習生と同じく5年経過した後は帰国をしなければなりません。
ところが、それを回避する方法があります。それが、特定技能2号です。
特定技能2号は、在留期間の制限がなく永住権も取得可能な資格です。
また、特定技能2号を取得することで、家族との帯同(妻・子)も許可されるため、外国人労働者のモチベーションアップにも繋がります。
建設業特定技能資格保持者の雇用は激しい競争が起きると予測
普通に考えれば誰だって育成コストのかからない人材を手に入れたいものですよね。
既に帰国している技能者や前に雇用している技能実習生を呼び戻すことは可能ですが、必ずあなたの会社に戻ってくるわけではありません。
技能実習と違い、特定技能は外国人が持つ裁量が多く、ある程度職場を自由に選ぶことが可能なのです。
特定技能資格者をめぐり、人手不足倒産を起こしそうな後のない企業を中心に、獲得は激化する恐れがあります。
あなたの会社がまだ「人手不足だけども、多少は余裕がある」ということでしたら、余裕が少しあるうちに、技能実習生から特定技能といったように、会社の終身社員を育ててみるのも良いのではないでしょうか?