高齢化や大都市圏へ人材の集中により他の製造業に比べると人手不足感が否めない飲食料品製造業界。平成30年の食品衛生法改正により、令和2年6月までに全ての飲食料品製造業者にHACCPに沿った衛生管理の制度化への対応が求められることで衛生管理の知識を有する人材を確保していくことが急務な状況になっております。発展途上国への技術移転を目的として、国際貢献事業として始められた「技能実習制度」が今日の飲食料品製造分野での苦境を支えております。しかし2019年に日本で初めて外国人の単純労働を認める「特定技能ビザ」が新設されました。似通った制度になっており、具体的に制度の違いが良くわからないという話をよく伺います。そこで今回は飲食料品製造分野で両制度の違いを解説致します。是非ご一読ください。
飲食料品製造業界での技能実習・特定技能の制度の違いについて
飲食料品製造業界での両制度の違いをおおまかに見ていきましょう。
技能実習制度を活用した場合
・制度趣旨
日本から相手国への技術移転(国際貢献)
・資格取得の条件
【日本語能力】
なし
【飲食料品製造等の知識・経験等】
なし
【対象職種・対象業種】
「技能実習3号まで」
・缶詰巻締
・食鳥処理加工業
・加熱性水産加工食品製造業
・非加熱性水産加工食品製造業
・水産練り製品製造
・牛豚食肉処理加工業
・ハム・ソーセージ・ベーコン製造
・パン製造
・そう菜製造業
「技能実習2号まで」
・農産物漬物製造
「技能実習1号まで」
・めん類製造業
・冷凍調理食品製造
・菓子製造業
など
・在留期間
1年目:「技能実習1号」:最長1年 1年目終了時 【学科試験・実技試験】
2~3年目:「技能実習2号」:最長2年 3年目終了時 【実技試験】
4~5年目:「技能実習3号」:最長2年 5年目終了時 【実技試験】※受入れ企業・監理団体ともに優良認定が必要
「技能実習2号」を修了した技能実習生は「特定技能1号」に必要な試験が免除されます。
・賃金の水準
本国への技術移転を目的とした実習のため、最低賃金以上
・転職可否
原則、不可
・受入れ調整機関等
監理団体
・活動内容
技能実習計画に基づいて,講習を受け,及び技能等に係る業務に従事する活動(1号)
技能実習計画に基づいて技能等を要する業務に従事する活動(2号,3号) (非専門的・技術的分野)
在留資格「特定技能」を活用した場合
・制度趣旨
人手不足対応のための一定の専門性・技能を有する外国人の受入れ
・資格取得の条件
日本国内外において実施される
【日本語能力】
日本語能力水準について生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(日本語能力試験N4程度)
【飲食料品製造等の知識・経験等】
技能水準について試験等で確認(飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験)→個人のスキルによる
【対象職種・対象業種】
・食料品製造業
・清涼飲料製造業
・茶、コーヒー製造業(清涼飲料を除く)
・製氷業
・菓子小売業(製造小売)
・パン小売業(製造小売)
・豆腐、かまぼこ等加工食品小売業
・在留期間
「特定技能1号」
1年、6ヶ月または4ヶ月ごとの更新、通算で上限5年まで
・賃金の水準
一定の専門性・技能を有するため日本人と同等以上の給料
・転職可否
同一業種など一定条件下のもとで転職可能
・受入れ調整機関等
登録支援期間
・活動内容
相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動(専門的・技術的分野)
飲食料品製造業での技能実習生受入れするなら監理団体選びが重要
飲食料品製造業においては、監理団体選びを慎重に行うことが必要不可欠です。そこで技能実習生.jpが約2,800もの監理団体から特定技能と技能実習を両方取り扱い可能な監理団体を複数ご紹介いたします。ぜひ各監理団体の話をよく聞いてお客様の企業風土にあうような外国人が雇用できるよう総合的に判断してみてください。